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学校の出来事
★課題研究発表会1★機械工学科3年生★
1月20日(木)から31日(月)まで、工業科8学科の3年生が履修している「課題研究」の発表会が行われます。当初は保護者の方にも見学していただくことになっていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、在校生のみへの公開に変更させていただきました。心からお詫び申し上げるとともに、御理解いただければと思っています。
今回は20日に行われた、機械工学科の課題研究発表会の様子をご覧いただきます。視聴覚室で行われました。
「課題研究」とは工業科3年生が全員週3時間履修する大学の卒業論文、その発表会のようなものです。
1班は「ソレノイドを用いたラジコン製作」。ソレノイドとは、3次元のコイルで、螺旋状、特に密巻きにした形状(層を重ねることもある)のもののこと、ラジコンを操作するためにステアリングエンジンの代わりにソレノイドを代用品として使った研究を披露してくれました。学校にあったステアリングエンジン車を分解し、その部分にソレノイドエンジンを搭載して車を作った時の苦労話も話してくれました。
2班は「ロボットハンドの製作」。今年度開催された東京パラリンピックの開催が近づいて話題のメディア露出が増えた時にひらめいた題材だそうです。義手や義足を目にしてその仕組みに興味を抱き、医学的専門的知識が極力少なくても研究できる「ロボットハンド」の製作にシフトチェンジして研究を行いました。2DーCADやレーザー加工機、高度なプログラミング技術などを駆使し、アクリル板を使って器用に動くロボットハンドを見た時はまさに圧巻でした。実際、5本の指がすべて動くわけではない、と正直に現状を吐露してくれていたことは高校生の研究らしい一面であったとほほえましく思いました。
3班は「2足歩行ロボットの研究」。先輩たちの課題研究を見て、さらに応用した研究を行いたいという向上心から研究を始めたそうです。モーターを制御するためのマイクロソフトコンピューターソフト「Arduino(アルディーノ)」を使って、制御・ボディ製作・プログラミングの作成という手順で2足歩行ロボットを作り上げました。実際きちんと歩行する様子を披露してくれました。
4班は「ドローン製作」。今では私たちの生活でも身近なものとなってきたドローン、素材選び、フレーム設計、Arduinoソフト活用、レーザー加工、モーター制御、プログラミングなど要所となる工程をきちんとこなし、亀くて強靭なフレームを作成、きちんとドローンを飛ばすことが出来た。
5班は「風力発電モデルの作成」。羽の形状と枚数によるエネルギーの変化を調べ、効率よい風力発電装置を製作しました。CADで設計し、軸を作るためのアルミ棒をフライス盤を使って切削、パソコンで設計したパーツをアクリル板で作るためにレーザー加工機を使いました。発電機製作の難しさや風力の仕組みの複雑性を実感したようです。
6班は「難関資格・溶接アートに挑戦」。機械工学科ではおなじみの取り組み、8月の技能検定、1月の溶接アート作品提出に向けての涙ぐましい努力の過程を披露してくれました。資格取得は機械加工 普通旋盤作業2級・3Qの取得にむけた取り組みを紹介、溶接アートについては静岡県溶接工業協同組合主催のアート作品コンクールへの出品作品を製作、CAD・CAMによるレーザー設計→レーザー加工機で打ちだし→曲げ加工による成形スポット、CO2溶接→バーナーによる焼き入れ・色出し、の作業工程をたどり、スタジオジブリ「風の谷のナウシカ」より 王蟲(オウム)の製作、そしてフクロウの製作を行いました。最後の質疑応答で機械工学科3年生・山田君から「なぜフクロウの頭部部分がスケルトン状になっているのか」という鋭い質問が飛び、階上に緊張が走りましたが、製作責任者の平林君が落ち着いて、制作過程での話し合いの結果および制作費の予算・製作者のスキルの問題であると回答していたことが印象に残りました。
7班は「第二種電気工事士の取得挑戦とイライラ棒の製作」。1年時に学んだリレーシーケンス、2年時に学んだPLC(電力線を利用する通信ネットワーク技術、Power Line Communication)で学んだ技術を生かすため、前期は電気工事士の資格取得に挑戦、後期は誰もが一度はイライラしながらトライしたことのある、「イライラ棒の製作」に挑戦しました。土台作り、棒が辿るルート思考、プログラムの作成、コンパネの塗装、支柱の作成、プログラミング、PLC配線などさまざまな工程を経て、イライラ棒を製作しました。実際私もやらせていただきましたが、よく出来ていました。
1年間かけた研究、どの班もレベルの高い論文と発表、作品が出来ました。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から保護者の方をご招待できず、申し訳ない思いでいっぱいです。
次回は1/25(火)午前の電気工学科・都市基盤工学科の課題研究発表会を紹介します。
★第72回生徒研究発表会への参加(電気工学科)★
1月13日(木)三島市民文化会館にて、静岡県高等学校工業教育研究会主催の第72回生徒研究発表会が開催され工業を学んでいる13校が参加しました。
当日は、静岡県工業高等学校長会会長で本校松村照司校長先生の挨拶から始まり午前午後、各校8分以内での発表が行われました。
本年は、学校代表として、電気工学科3年生4名が参加し、課題研究の授業を通して研究した「安全についての研究」をテーマに発表を行いました。
★共通テスト受験者激励会が行われました★
1月14日(金)放課後の時間に、共通テスト受験者対象に激励会が行われました。生徒は工業科と理工科に分かれ、校長先生、学年主任、担任、進路課など多くの先生方から激励の言葉をいただきました。生徒は試験当日の諸注意の確認と職員からテスト当日用に糖分(お菓子)の差し入れをいただき、共通テストに向けてさらに気持ちを引き締めることができたと思います。
不安もあるかと思いますが、これまで勉強してきた成果を存分に発揮できるよう、試験が終わるまで気を抜かずに取り組んできてほしいと思います。
3学期始業式・生徒会任命式が行われました
1月5日(金)始業式および生徒会任命式を行いました。新型コロナウイルス感染症対策のため、各クラスにて放送により行われました。
令和3年度3学期始業式式辞では、校長先生から新年の挨拶ののち、昨年のノーベル物理学賞を受賞された真鍋叔郎さん(90)について、受賞後のインタビュー等から3点、お話しされました。
はじめに、真鍋さんがアメリカに渡った経緯と研究の過程です。真鍋さんは御両親から医師となることを期待されていました。手先の不器用さから医学には向かずこれを断念し、大好きな気候学を学びます。大学院時代に書いた論文が評価され米海洋大気局に招かれます。世界で最も優れたコンピュータでさえ、現在の電卓レベル程度の能力しかない時代、太陽と大気と地表だけのモデルを用い地表からの高さによる気温を導きました。今ではスーパーコンピュータを使い地球全体をシュミレーションするのですが、その礎は真鍋さんの研究です。気候学の歴史はコンピュータの歴史でもあるのです。
2つめは好奇心。「研究を始めた頃には、こんなに大きな成果を生むとは創造していなかった。好奇心が原動力となった。後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めた頃にはこの重要さには誰にも気づかないものだと思う。」と述べています。皆さんも理系のそれぞれの学科を選び専門科目を学んでいますが、「好きこそものの上手なれ」の言葉通り、面白いと思うことが大事です。それが、その後起こりうる様々な困難をも乗り越える原動力になると思います。皆さんがすでに歩んでいる専門科目も、学んでいる途上ではこれが将来、どのような場面で活かせるかなどと気付く事ばかりではありません。
3つめは、今回のノーベル賞受賞が「非常にタイムリーな受賞」と述べている点です。真鍋さんの研究成果がもとになり、SDGsの17つの開発目標のうち「環境問題」や「エネルギーと産業技術」の分野で、その達成指標に大きな影響を与えたのです。もし、真鍋さんの研究がなければこれらの取組も、もっと遅くなったのかも知れません。
2022年、皆さんにとっての科学技術高校での学びが始まりました。皆さんには、自身が関心を持ったこの学科での学びと普通科目との関連を意識して欲しいと思います。学科での学習や日常の現象を科学するためにも、数学や物理・化学・生物はじめ全ての基礎科目を大切にしてほしい。真鍋さんが90歳になってノーベル賞を受賞しようなどとは思っていなかったように、コツコツと努力したことはやがて、社会を支える事になります。研究する楽しさと共に継続することの大切さも、真鍋さんは教えてくれます。
続いて、教務課と生徒課からそれぞれ以下のような注意がありました。
教務課:新型コロナウイルスの感染拡大が広まっている。インフルエンザが流行する時期でもあるので、予防をして新学期を過ごしてほしい。
生徒課:3密の回避、マスクの着用、手指の消毒の徹底をしてください。また、マスクのせいか、昇降口で挨拶が少ないように感じる。しっかり挨拶をして気持ちよく学校生活を送ってほしい。スマホはカバンかロッカーにしまっていますか?交通ルールを守って登校しましたか?ルールを守ってしっかり生活してください。
引き続き、生徒会任命式が放送にて行われました。校長先生から生徒会長、生徒副会長の任命が行われた後、生徒会長となった伊東さんから挨拶がありました。
新型コロナウイルスの感染が再拡大し、第6波が来たといわれている中ではありますが、新生徒会のみなさんには今後のイベント等盛り上げていってほしいと思います。
★2学期終業式が行われました★
12月24日(金)1,2時間目に授業をした後、新型コロナウイルス対策のため各クラスにて放送による終業式を行いました。
まず校長先生から以下のような話がありました。
今年度これまでの学校全体を振り返ると、全国規模の大会・発表会で成果を上げるなど、皆さんの頑張りが目立った年でした。自然科学部や学科研究部は全国大会で優秀な成績を収めました。また、年明け早々には、ジャパンマイコンカーラリーや少林寺拳法部の全国選抜も予定されています。東海大会まで含めると陸上、弓道、バドミントン、囲碁が出場を果たしました。また、野球部は来春のセンバツ高校野球21世紀枠の静岡県代表に選出され、競技力だけでなく文武両道の姿勢が高く評価されました。しかし、部活動や各学科の研究でも、生徒諸君の中には、高い壁に阻まれ悔しい思いをした人も少なくないはずです。その中には、コロナ禍であっけなく大会が中止になってしまうなど、自分ではどうしようもない壁に阻まれた団体もありました。
さて先週まで、東京の日本科学未来館で、宇宙探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った試料、約5.4グラムのうち、2ミリグラムを公開しました。現在も様々な観点から分析研究がなされているこの試料には、小惑星「リュウグウ」の名の通り、我々生命のもととなる有機物や水を含んでいることが期待されています。分析チームは太陽系の起源や、地球の海や生命の起源に迫る成果を目指しています。はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、3年半かけて小惑星「リュウグウ」上空をめざし、そこで小惑星のサンプルを採取し、再び地球にサンプルを届けるという壮大なミッションでした。はやぶさの初号機イトカワがエンジン停止により、宇宙で迷子になるなどの様々なアクシデントを乗り越えながらもサンプルを持ち帰ったこともあり、はやぶさ2では、小惑星にクレーターを作り、地下からサンプルを採取するというより厳しいミッションが課されました。プロジェクトチームは、初号機でのトラブルに加え新たに起こりうるすべてのトラブルを想定し、リカバリ訓練を行いました。それでも、実際のミッションでは、リュウグウに接近する過程でカメラのトラブルが発生したそうです。しかし、これまでに想定したトラブル対応の応用問題ととらえ、チームは見事にこれをクリアしました。
今年、大きな壁に阻まれた皆さんにはまず、壁に向かってチャレンジした自分(自分たち)を褒めてください。そのうえで、何が原因かを追究し、できることを見つけ、対処することが大切です。壁は乗り越えがたいがゆえの壁です。ですから、挑戦し続けてもなかなか超えられないかもしれません。しかし、今回、はやぶさ2が持ち帰った試料が、今の分析装置や知識では解明できなくとも5年、10年後の分析装置でわかることがあるように、皆さんのこの努力も新たな進路先で発揮されるかもしれません。今の皆さんの歩みを止めてはいけない。今日は何も得ることはなかったと感じても、頑張った自分を否定することなく、この歩みを続けることが大事です。
年が明け1月15日からは、3年生150人が共通テストに挑戦します。来年は寅年、皆さんがこの壁をにらみ、闘志を新たに元気に登校することを期待しています。
続いて、教務課と生徒課からそれぞれ年末年始に新型コロナウイルス、特にオミクロン株の流行が懸念されるため、感染予防を徹底し元気に新学期を迎えられるよう呼びかけがありました。また、冬休みは短いがSNSのトラブルや自転車の運転(無灯火、イヤホン)に十分注意し、一年を振り返り家族とゆっくり過ごしてほしいと話がありました。
終業式の後には、各クラスで動画視聴による壮行会も行われました。電子工学科・電子工学研究部がジャパンマイコンカーラリー全国大会に出場します。練習の成果を存分に振るってきてほしいと思います。