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2022年1月の記事一覧
★課題研究発表会2(都市基盤工学科3年)★
先週の機械工学科に続いて、1月25日(火)には都市基盤工学科、電気工学科で3年生の課題研究発表会がありました。まずは、都市基盤工学科の課題研究発表会の様子をお知らせします。
1班は「静岡GO」。昨年7月に熱海市で発生した土砂災害などの例を取り上げながら、「静岡県に発生した自然災害」を取り上げて、その被害状況や原因分析等を行いました。この発表は昨年12月に本校の防災訓練でも全校生徒で視聴し、みんなで災害の様子や防災への取り組みについて話し合う教材にさせていただきました。久能算東照宮に出向き現地視察をした時の様子も披露してくれました。
2班は「ウーブンシティ・未来の都市づくり」。ウーブン・シティとは裾野市に建設中の実験都市のことで、東日本大震災後に東北地方での事業を拡大したトヨタ自動車東日本が、2020年年末に東富士工場の閉鎖を決定、その跡地にて、トヨタ自動車が建設予定の実証都市で2021年2月23日着工されました。先日の裾野市長選でも選挙の争点となった関心事項、都市基盤工学の視点で未来の都市づくりについて研究しました。市長選でも市民の声として上がっていましたが、ウーブンシティについてはなかなか情報が出てきていなくて、裾野市の都市未来計画の土木面での発表をもとに研究を進めました。ウーブンとはwoven とはweave(織る)の過去分詞系形容詞、主体となっているトヨタ自動車のルーツとなる豊田自動織機から来ています。
3班は「防災と減災、何が違うの?」。コロナでも「ゼロコロナ」か「ウィズコロナ」、とちらを目指すべきかわかれるところですが、防災か減災か、こちらも果てしない永遠のテーマであります。免震と耐震の模型を作って研究を進めました。今は「被害を最小限に防ぐ」減災の考えが広まってきていて、静岡県にも大きな爪あとを残した昭和49年の七夕豪雨の被害についても話が及びました。
4班は「ローテク技術を磨く」。ローテク(low-tec)あるいはロー・テクノロジー(low-technology)とは、ハイテク(high-technology)の対義語であり、「最先端のものではない科学技術」や「シンプルで、洗練されていないテクノロジー」を意味します。一年間を通して木材を使いち治具(じぐ)などを作ることで機械の使い方を学びました。バイクのボディやポール部分の製作をした時の苦労話は印象的でした。なお、バイクはボディやフレーム部分の製作を行い、エンジン等動力面には生徒は関わっておりませんのでご承知おきください。
5班は「富士山は噴火する?」。これもどなたも子供のころから聞いたことのある話題で、現在のところ答えの出ないテーマでもあります。富士山噴火の歴史の中で最後の大噴火は、宝永四年(1707年)、旧暦の11月23日、今から約315年前のことです。最近富士山の噴火ハザードマップが改訂されたことを機会に富士山の噴火の歴史や万が一噴火した時の対策、被害想定を研究しました。
6班は「まちの魅力を伝えるために~Shizu photo~」。皆さんはフォトロゲイニングという言葉を聞いたことがありますか。フォトロゲイニング(Photo rogaining)とは、地図上にあらかじめ設定されたチェックポイントを制限時間内で多く巡り獲得した合計得点を競うスポーツで、チェックポイント通過の証明に目印を撮影した写真を用います。略称はフォトロゲ、オーストラリア発祥のアウトドアスポーツであるロゲイニングをアレンジしたもので2005年に日本で始まりました。そのフォトロゲイニング競技大会を作ろうと思ったことがきっかけで、市内のフォトスポットを自分たちで見つけて撮影を行い、その写真をもとにオリジナルのフォトロゲイニングを企画しました。静岡県のおすすめフォトスポットとして森下公園やグランシップ、八幡山などを挙げて、それらの場所全部で49箇所で撮影した写真も見せてくれました。
7班は「ミニチュア作戦~谷津山地層、蓬莱橋、テトラポッド」。本校北側にそびえる谷津山、実際に散策して土を採取して地層を作り、さらには本校の住所となっている「長沼」の由来も研究、さらには島田にある世界最長の木造歩道橋・蓬莱橋のミニチュア1/100スケールの木材加工をつくり、本校の文化祭でも販売したテトラポッドの消波ブロックの製作も行い、まさにミニチュア模型をたくさん作った「ミニチュア大作戦」となりました。写真の通り、ジオラマの現物は圧巻でした。
以上です。
26日(水)に建築デザイン科、27日(木)に情報システム科、ロボット工学科、建築デザイン科が発表会を行います。
★課題研究発表会1★機械工学科3年生★
1月20日(木)から31日(月)まで、工業科8学科の3年生が履修している「課題研究」の発表会が行われます。当初は保護者の方にも見学していただくことになっていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、在校生のみへの公開に変更させていただきました。心からお詫び申し上げるとともに、御理解いただければと思っています。
今回は20日に行われた、機械工学科の課題研究発表会の様子をご覧いただきます。視聴覚室で行われました。
「課題研究」とは工業科3年生が全員週3時間履修する大学の卒業論文、その発表会のようなものです。
1班は「ソレノイドを用いたラジコン製作」。ソレノイドとは、3次元のコイルで、螺旋状、特に密巻きにした形状(層を重ねることもある)のもののこと、ラジコンを操作するためにステアリングエンジンの代わりにソレノイドを代用品として使った研究を披露してくれました。学校にあったステアリングエンジン車を分解し、その部分にソレノイドエンジンを搭載して車を作った時の苦労話も話してくれました。
2班は「ロボットハンドの製作」。今年度開催された東京パラリンピックの開催が近づいて話題のメディア露出が増えた時にひらめいた題材だそうです。義手や義足を目にしてその仕組みに興味を抱き、医学的専門的知識が極力少なくても研究できる「ロボットハンド」の製作にシフトチェンジして研究を行いました。2DーCADやレーザー加工機、高度なプログラミング技術などを駆使し、アクリル板を使って器用に動くロボットハンドを見た時はまさに圧巻でした。実際、5本の指がすべて動くわけではない、と正直に現状を吐露してくれていたことは高校生の研究らしい一面であったとほほえましく思いました。
3班は「2足歩行ロボットの研究」。先輩たちの課題研究を見て、さらに応用した研究を行いたいという向上心から研究を始めたそうです。モーターを制御するためのマイクロソフトコンピューターソフト「Arduino(アルディーノ)」を使って、制御・ボディ製作・プログラミングの作成という手順で2足歩行ロボットを作り上げました。実際きちんと歩行する様子を披露してくれました。
4班は「ドローン製作」。今では私たちの生活でも身近なものとなってきたドローン、素材選び、フレーム設計、Arduinoソフト活用、レーザー加工、モーター制御、プログラミングなど要所となる工程をきちんとこなし、亀くて強靭なフレームを作成、きちんとドローンを飛ばすことが出来た。
5班は「風力発電モデルの作成」。羽の形状と枚数によるエネルギーの変化を調べ、効率よい風力発電装置を製作しました。CADで設計し、軸を作るためのアルミ棒をフライス盤を使って切削、パソコンで設計したパーツをアクリル板で作るためにレーザー加工機を使いました。発電機製作の難しさや風力の仕組みの複雑性を実感したようです。
6班は「難関資格・溶接アートに挑戦」。機械工学科ではおなじみの取り組み、8月の技能検定、1月の溶接アート作品提出に向けての涙ぐましい努力の過程を披露してくれました。資格取得は機械加工 普通旋盤作業2級・3Qの取得にむけた取り組みを紹介、溶接アートについては静岡県溶接工業協同組合主催のアート作品コンクールへの出品作品を製作、CAD・CAMによるレーザー設計→レーザー加工機で打ちだし→曲げ加工による成形スポット、CO2溶接→バーナーによる焼き入れ・色出し、の作業工程をたどり、スタジオジブリ「風の谷のナウシカ」より 王蟲(オウム)の製作、そしてフクロウの製作を行いました。最後の質疑応答で機械工学科3年生・山田君から「なぜフクロウの頭部部分がスケルトン状になっているのか」という鋭い質問が飛び、階上に緊張が走りましたが、製作責任者の平林君が落ち着いて、制作過程での話し合いの結果および制作費の予算・製作者のスキルの問題であると回答していたことが印象に残りました。
7班は「第二種電気工事士の取得挑戦とイライラ棒の製作」。1年時に学んだリレーシーケンス、2年時に学んだPLC(電力線を利用する通信ネットワーク技術、Power Line Communication)で学んだ技術を生かすため、前期は電気工事士の資格取得に挑戦、後期は誰もが一度はイライラしながらトライしたことのある、「イライラ棒の製作」に挑戦しました。土台作り、棒が辿るルート思考、プログラムの作成、コンパネの塗装、支柱の作成、プログラミング、PLC配線などさまざまな工程を経て、イライラ棒を製作しました。実際私もやらせていただきましたが、よく出来ていました。
1年間かけた研究、どの班もレベルの高い論文と発表、作品が出来ました。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から保護者の方をご招待できず、申し訳ない思いでいっぱいです。
次回は1/25(火)午前の電気工学科・都市基盤工学科の課題研究発表会を紹介します。
★第72回生徒研究発表会への参加(電気工学科)★
1月13日(木)三島市民文化会館にて、静岡県高等学校工業教育研究会主催の第72回生徒研究発表会が開催され工業を学んでいる13校が参加しました。
当日は、静岡県工業高等学校長会会長で本校松村照司校長先生の挨拶から始まり午前午後、各校8分以内での発表が行われました。
本年は、学校代表として、電気工学科3年生4名が参加し、課題研究の授業を通して研究した「安全についての研究」をテーマに発表を行いました。
★共通テスト受験者激励会が行われました★
1月14日(金)放課後の時間に、共通テスト受験者対象に激励会が行われました。生徒は工業科と理工科に分かれ、校長先生、学年主任、担任、進路課など多くの先生方から激励の言葉をいただきました。生徒は試験当日の諸注意の確認と職員からテスト当日用に糖分(お菓子)の差し入れをいただき、共通テストに向けてさらに気持ちを引き締めることができたと思います。
不安もあるかと思いますが、これまで勉強してきた成果を存分に発揮できるよう、試験が終わるまで気を抜かずに取り組んできてほしいと思います。
3学期始業式・生徒会任命式が行われました
1月5日(金)始業式および生徒会任命式を行いました。新型コロナウイルス感染症対策のため、各クラスにて放送により行われました。
令和3年度3学期始業式式辞では、校長先生から新年の挨拶ののち、昨年のノーベル物理学賞を受賞された真鍋叔郎さん(90)について、受賞後のインタビュー等から3点、お話しされました。
はじめに、真鍋さんがアメリカに渡った経緯と研究の過程です。真鍋さんは御両親から医師となることを期待されていました。手先の不器用さから医学には向かずこれを断念し、大好きな気候学を学びます。大学院時代に書いた論文が評価され米海洋大気局に招かれます。世界で最も優れたコンピュータでさえ、現在の電卓レベル程度の能力しかない時代、太陽と大気と地表だけのモデルを用い地表からの高さによる気温を導きました。今ではスーパーコンピュータを使い地球全体をシュミレーションするのですが、その礎は真鍋さんの研究です。気候学の歴史はコンピュータの歴史でもあるのです。
2つめは好奇心。「研究を始めた頃には、こんなに大きな成果を生むとは創造していなかった。好奇心が原動力となった。後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めた頃にはこの重要さには誰にも気づかないものだと思う。」と述べています。皆さんも理系のそれぞれの学科を選び専門科目を学んでいますが、「好きこそものの上手なれ」の言葉通り、面白いと思うことが大事です。それが、その後起こりうる様々な困難をも乗り越える原動力になると思います。皆さんがすでに歩んでいる専門科目も、学んでいる途上ではこれが将来、どのような場面で活かせるかなどと気付く事ばかりではありません。
3つめは、今回のノーベル賞受賞が「非常にタイムリーな受賞」と述べている点です。真鍋さんの研究成果がもとになり、SDGsの17つの開発目標のうち「環境問題」や「エネルギーと産業技術」の分野で、その達成指標に大きな影響を与えたのです。もし、真鍋さんの研究がなければこれらの取組も、もっと遅くなったのかも知れません。
2022年、皆さんにとっての科学技術高校での学びが始まりました。皆さんには、自身が関心を持ったこの学科での学びと普通科目との関連を意識して欲しいと思います。学科での学習や日常の現象を科学するためにも、数学や物理・化学・生物はじめ全ての基礎科目を大切にしてほしい。真鍋さんが90歳になってノーベル賞を受賞しようなどとは思っていなかったように、コツコツと努力したことはやがて、社会を支える事になります。研究する楽しさと共に継続することの大切さも、真鍋さんは教えてくれます。
続いて、教務課と生徒課からそれぞれ以下のような注意がありました。
教務課:新型コロナウイルスの感染拡大が広まっている。インフルエンザが流行する時期でもあるので、予防をして新学期を過ごしてほしい。
生徒課:3密の回避、マスクの着用、手指の消毒の徹底をしてください。また、マスクのせいか、昇降口で挨拶が少ないように感じる。しっかり挨拶をして気持ちよく学校生活を送ってほしい。スマホはカバンかロッカーにしまっていますか?交通ルールを守って登校しましたか?ルールを守ってしっかり生活してください。
引き続き、生徒会任命式が放送にて行われました。校長先生から生徒会長、生徒副会長の任命が行われた後、生徒会長となった伊東さんから挨拶がありました。
新型コロナウイルスの感染が再拡大し、第6波が来たといわれている中ではありますが、新生徒会のみなさんには今後のイベント等盛り上げていってほしいと思います。