★理数科の課題研究発表会が行われました ≪前編≫★

 本校理数科(理工科)の「課題研究発表会」が令和3年2月17日(水)午後、本校視聴覚室で行われました。

 先月、工業科8学科すべての発表会が行われましたが、今月は理数科の発表会です。工業科は3年生が課題研究を行いますが、理数科は2年次に「課題研究」週1時間、「総合的な学習の時間」週2時間行っています。

 理数科2年生40名が「生物班」「物理班」「化学班」「地学班」「数学班」など14の班に分かれ、発表を行いました。

 多くの班があるため、≪前編≫≪後編≫の2回に分けて紹介します。

 1班は生物班、「イソチオシアネートの抗菌作用について」研究を行いました。キャベツはなぜ日が経つと苦くなるのかという疑問が研究のきっかけとなり、イソチオシアネートと呼ばれる物質が影響していることを知り、その成分効果の一つである抗菌作用について研究を行いました。
 

 2班は化学班、「塩分濃度による麺の重さと長さの関係」の研究。ラーメンやそば、パスタに欠かせない塩。ゆでる際の塩分濃度を変化させることにより、麺の長さ・重さ・太さ・強度の違いを研究、麺の重さの変化は太さによってではなく、長さによって変わるということを導き出しました。

 

 3班は生物班、「美味しいコーヒーを飲もう」と題し、コーヒーが苦手な人でも美味しく飲めるコーヒーを研究しました。コーヒー豆の粒の大きさ、水の温度、入れ方を変えることにより美味しいコーヒーが作れることが分かりました。実験はお手軽なペーパードリップのものと抽出機器であるフレンチプレスを使って実験、結果としてはペーパードリップを使って水270ml, コーヒー豆10g, お湯の温度90℃で作ったコーヒーが一番おいしく感じられました。また若者に人気のカフェオレの場合はフレンチプレスを用いて、上記と同条件で牛乳130mlを加えたものが美味しく感じられたという結果を発表してくれました。
 

 4班は化学班、「コンクリートにできる結晶」の研究。散歩中にコンクリート塀から白いものが出ていることに疑問を抱き、その原因がエフロレッセンス(白華現象)によるものだとわかり、研究を進めて、その正体がカルシウムを主成分とする結晶であることを確かめた研究です。この研究は化学の先生だけでなく、「セメント」や「コンクリート」の専門家である都市基盤工学科の先生方からの指導も受けました。
 

 5班は地学班、「消波ブロックの効力の研究」。都市基盤工学科の課題研究でも研究題目になった消波ブロック(テトラポッド®)に興味を持ち、その歴史や目的を研究、三保松原海岸(羽衣公園)を参考にした実験も行いました。消波ブロックとは1949年にフランスで火力発電所の護岸工事のために作られ、その後特許を譲り受けた日本テトラポット(現 不動テトラ)が設立されました。研究の結論として、消波にはセメントを用いるのが一番効果的とのことでした。
 

 6班は数学班、「各学年の理数科の特徴」をデータを用いて研究。本校創設と同時に設置された理数科。本校は全国でも珍しい工業科と理数科の併置校。現在在籍している理数科120名にアンケートを行い、その結果を全国の高個性と比較分析、相関・分散・標準偏差を求め分析、統計学の知識を駆使しての研究となりました。学習時間と睡眠時間との相関係数(2つの確率変数の間にある線形な関係の強弱を測る指標)など創意あふれる研究となりました。
 

 7班は生物班、「無胃魚と有胃魚の内臓の違い」の研究。胃がない生物がいることなど知らなかった人も多いと思いますが、無胃魚の代表例はサンマ・コイ・メダカ・イワシ・トラフグ。今回は無胃魚・サンマとそれに似た環境に生息している有胃魚(アジ・アユ・イサキ)を解剖、3週間にわたる解剖作業の中で細胞の組織が壊れないように永久プレパラートを作り、細胞をすりつけて光学顕微鏡・電子顕微鏡で観察して得られた結果を発表しました。

 
 
   以下、後編に続きます。